加齢による心の変化と対処法について
介護の現場において、要介護の高齢者に対する接し方は非常に重要な問題です。些細なことで不快な思いをさせてしまうトラブルは介護の現場では珍しくありません。しかし、これは介護に従事する人のせいではなく、高齢者の心の変化が関係しています。加齢による身体機能の低下は誰にでも起こることですが、自分の思い通りに体が動かせなくなることで不安や苛立ちを感じる高齢者は少なくありません。若い頃は何でもなかったのに、年を取るにつれて体を動かすことが辛く感じられてしまうのです。当たり前のようにできたことが年齢を重ねるにつれ困難になり、改善も期待できないことから次第にネガティブな考えを抱くようになります。
すべての高齢者がネガティブな考え方をするわけではありませんが、若い人と自分を比較して現状に不満を抱く可能性が高い事実は否定できません。加齢による心の変化は誰にでも起こるとなので、介護の現場では高齢者への配慮が重要になります。身体機能を比較しがちな高齢者に対しては現状を受け入れ、自分の体の具合を客観視するように促すのが正しい対処法といえるでしょう。身体機能の改善は容易ではなく、無理をするとかえって体への負担が大きくなります。年齢を考慮しつつ、体を労わりながら毎日を快適に暮らすようにサポートするのが介護職に求められる姿勢です。考え方や価値観の変化は人それぞれなので、冷静な観察眼と最適な対処を実践できる柔軟な思考が質の高い介護に繋がります。